予備試験の予備校7社を比較|元四大弁護士が実務目線で検証
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予備試験の予備校選びは、10万円から150万円まで価格差が15倍あります。しかも「高い方が受かる」という単純な話ではありません。
私は大学在学中に予備試験に合格し、司法試験を経て四大法律事務所に入りました。当時選んだのは、最も高額な選択肢でした。今は状況が違います。10万円台の講座でも合格者が出ている一方で、100万円を超える講座も健在です。
この記事では、主要7社を料金・合格実績・カリキュラム・添削体制で比較し、どの価格帯で何が手に入るのかを整理します。
結論:3タイプで選べば失敗しない
先に結論を書きます。
| タイプ | おすすめ | 目安価格(税込) |
|---|---|---|
| 実績とサポートを最優先、通学も視野に | 伊藤塾 | 約150万円 |
| 添削量と個別指導を重視、返金特典も狙う | アガルート | 約100〜130万円 |
| バランス重視、添削は標準で確保したい | 資格スクエア | 約88万円 |
| 費用を最優先、独学ベースで進める | スタディング | 約9万円〜 |
選択の本質は、**「自分の答案を、答案を見慣れた人に何回見てもらうか」**です。予備試験の合否は論文で決まります。そして論文力は、自分ひとりでは伸ばしにくい。ここにいくら払うかが、価格差のほぼ全てです。
主要7社の比較表
※価格・添削数は2026年8月時点の情報です。合格目標年度やキャンペーンにより変動するため、申込前に必ず各公式サイトでご確認ください。
| 予備校 | 主要コース価格(税込) | 論文添削 | 校舎 |
|---|---|---|---|
| 伊藤塾 | 約149万6,000円 | あり | 東京・早稲田 |
| アガルート | フル 129万8,000円 / ライト 99万8,800円 | フル206通 / ライト174通 | バーチャル校舎 |
| 資格スクエア | 合格フルパッケージ 約87万7,800円 | 275通 | なし |
| スタディング | 約8万9,100円〜 | AI添削 | なし |
| LEC | 予備試験対策フルコース 約56万1,000円〜 | あり | 全国51校 |
| 辰已法律研究所 | 講座により変動 | あり | あり |
| 加藤ゼミナール | 講座により変動 | あり | なし |
合格実績をどう読むか
各社が公表している令和6年の主な数字は以下のとおりです。
| 予備校 | 公表している指標 |
|---|---|
| 伊藤塾 | 司法試験合格占有率 90.2%/予備試験ルートの司法試験合格占有率 95.7%/予備試験合格占有率 90.2% |
| アガルート | 令和6年司法試験 合格占有率 37.8% |
| 資格スクエア | 令和6年 合格率 24.5%(全体合格率の6.87倍) |
| スタディング | 非公表 |
占有率の合計は100%を超える
ここで気づいてほしいことがあります。**伊藤塾90.2%とアガルート37.8%を足すと128%**になります。他社の数字も加えれば、さらに膨らみます。
合計が100%を超えるのは、統計がおかしいからではありません。多くの合格者が複数の予備校を併用しているからです。基礎講座は伊藤塾、答練は辰已、直前期に単科でアガルート、といった使い方が実際には広く行われています。
この事実は、予備校選びの前提を変えます。「どこか1社を選ぶ」という問いの立て方自体が、実態と合っていないのです。正しい問いは「基礎講座の軸をどこに置き、足りない要素をどこで補うか」です。
「占有率」と「合格率」は別の指標
もう一点、注意が必要です。
- 合格占有率:合格者全体のうち、その予備校の受講生が占める割合。受講生が多いほど高くなる
- 合格率:その予備校の受講生のうち、合格した人の割合。母集団の取り方で数字が動く
伊藤塾の90.2%とアガルートの37.8%は前者、資格スクエアの24.5%は後者です。指標が違うものを並べて優劣を論じることはできません。
とはいえ、伊藤塾の数字は規模が違います。予備試験ルートの司法試験合格者のうち95.7%を占めるということは、予備試験合格者のほぼ全員が、どこかの段階で伊藤塾の何かを使っているということです。ここは率直に認めるべき事実だと思います。
アガルート
料金(2027・2028年合格目標)
- 予備試験最短合格カリキュラム/フル:1,298,000円(税込)
- 同/ライト:998,800円(税込)
カリキュラムの構成
論文力を5段階で積み上げる設計になっています。
- 総合講義300 — 基礎知識のインプット(入門・基礎講座)
- 論文答案の「書き方」 — 答案の型と作法を学ぶ
- 重要問題習得講座 — 基本問題を演習で漏れなく習得
- 論文過去問解析講座 — 予備試験の過去問に取り組む
- 答練 — 予想問題で応用力を養う
加えて、短答対策(短答知識完成講座Ⅰ・Ⅱ、短答過去問解説講座Ⅰ・Ⅱ)、法律実務基礎科目、選択科目8科目、一般教養科目対策までが1つのカリキュラムに含まれます。
このうち特に評価できるのは、インプットが終わったらすぐその科目の論文対策に入るという順序設計です。全科目のインプットを終えてから論文に進む方式だと、論文演習に入った段階で「書けない」ことに気づき、そこからインプットをやり直す時間がない、という事態が起きます。この構造的な失敗を、順序で回避しています。
添削は206通、内訳も公開されている
フルカリキュラムに付属する添削の内訳は以下のとおりです。
| 講座 | 通数 |
|---|---|
| 論文答案の「書き方」 | 35通 |
| 重要問題習得講座 | 42通 |
| 法律実務基礎科目 重要問題習得講座 | 4通 |
| 予備試験論文過去問解析講座 | 90通 |
| 選択科目 予備試験論文過去問解析講座 | 3通 |
| 予備試験・法科大学院入試答練 | 28通 |
| 法律実務基礎科目答練 | 4通 |
| 合計 | 206通 |
ライトカリキュラムは174通で、答練と一部講座が含まれません。
内訳を公開している点は評価できます。「添削◯通」という数字だけでは、それが答案の書き方を学ぶ段階のものか、過去問レベルのものかが分かりません。ここでは過去問解析講座が90通と最も厚く、実戦段階に添削が集中していることが読み取れます。
担任制のパーソナルコーチング
フルカリキュラム受講生には、プロ講師が担任として付き、毎月1回30分のパーソナルコーチングが受けられます。学習の進捗確認、質問への回答、翌月のスケジュール策定という流れです。
この仕組みは、受験勉強の実態に合っていると思います。
受験勉強では、どの時期にどの科目の何をやるべきかが、その人の状況によってまったく変わります。基礎が固まっていない段階で過去問に手を出しても消化不良を起こしますし、逆にインプットを完璧にしようとして演習に進めない人も多い。「今の自分は何をやるべきか」の判断は、受験生本人が最も間違えやすい部分です。
ここを毎月、経験のある講師と一緒に確認できるのは、独学では得られない価値です。市販の学習計画表は「平均的な受験生」を想定して作られていますが、平均的な受験生というものは存在しません。
なお、講義・添削・質問回答・コーチングのすべてをプロ講師(全員が新司法試験合格者)が担当することを明示しており、合格者アルバイトを使わない点を差別化としています。
合格特典の全額返金をどう見るか
予備試験に合格すると受講料が全額返金される制度があります。ただし条件があります。
- 対象はフルカリキュラム限定(ライトは対象外)
- 合格証明書類および合格体験記の提出
- 合格者インタビューへの出演
この条件をどう評価するか。
弁護士という職業は、本来的に自分の名前と顔で仕事をする仕事です。合格体験を後進に共有することは、法曹界全体にとって有意義でもあります。実際、私自身も受験生時代に合格体験記を読み漁りましたし、そこから得たものは大きかった。その意味で、この条件を前向きに受け止められる人にとっては、むしろ良い機会だと思います。
一方で、事情があって表に出られない人もいます。勤務先との関係、家族の状況、あるいは単に匿名でいたいという選好。私自身、この記事をペンネームで書いていることからも分かるとおり、後者の立場です。
重要なのは、返金を前提に予算を組まないことです。合格できなければ全額が確定した支出になりますし、合格しても条件を満たせなければ返金されません。129万8,000円を実際に払える前提で判断してください。
なお、この制度は規約上、売買契約の解除ではなく合格体験記やインタビューに対する原稿料・講演料の支払いとして設計されています。実名公表が必須である点も含め、条件の詳細は個別記事で分解しています。
2026年からのCBT対応
令和8年(2026年)の試験からCBT方式(パソコン受験)が導入されます。アガルートは法務省のCBTシステム開発会社に依頼して演習環境を提供しており、この点は現時点で明確な優位性です。
手書きとパソコン入力では、答案の作り方が変わります。 手書きなら書き始める前に構成を固めざるを得ませんが、入力なら後から挿入・修正ができる。この違いは想像以上に大きく、本番で初めて触れるのは避けるべきです。
なお、CBTの仕様そのもの(文字数の上限、使える機能、答案が零点になる条件)はCBT解説記事で法務省の公表資料をもとに整理しています。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 添削量と個別指導に費用をかける判断ができる
- 月1回の面談で学習方針を確認しながら進めたい
- CBT対応を重視する
向いていない人
- 100万円前後の初期投資が難しい
- 対面での指導を受けたい
アガルートについては、料金の内訳、添削206通の構成、そして合格特典の規約を個別に検証しています。 → アガルート予備試験講座を検証|「添削206通」と全額返金の条件を読む
伊藤塾
料金:約149万6,000円
主要7社で最も高額です。そして、最も実績があります。
令和6年司法試験の合格占有率90.2%、予備試験ルートに限れば95.7%。予備試験合格占有率も90.2%。この数字は、予備試験を目指す人のほとんどが何らかの形で伊藤塾を通過していることを意味します。
基礎マスター講座は381時間と、アガルートの総合講義300(300時間)より2割多いインプット量です。東京・早稲田に校舎があり、対面でのサポートを受けられます。
私が選んだ理由は、正直に言えば「周りが選んでいたから」
私はここで在学中に合格しました。ただ、選んだ理由を正直に書いておくと、深く比較検討した結果ではありません。
当時、私の周囲で予備試験を目指していた人は、ほとんどが伊藤塾をメインに据えていました。判断材料として持っていたのも実績くらいで、他社と細かく比較したわけではなく、半ば流れで申し込んだというのが実際のところです。
これは反省として書いているのではなく、当時と今で情報環境がまったく違うという話です。今この記事を読んでいる人は、各社の添削通数も、カリキュラムの設計思想も、価格の内訳も、調べれば出てくる状態にいます。私が持っていなかった判断材料を持っている。その点では、当時の私より有利な位置にいます。
インプット量の多さは、条件次第で武器になる
伊藤塾は基礎マスター講座が381時間と、他社より2割ほどインプットが厚い構成です。これを「多すぎる」と評する声もありますが、私の場合は問題になりませんでした。
理由は2つあります。学生で時間があったこと、そして暗記が比較的得意だったことです。この2条件が揃っていれば、インプットの厚さはむしろ有益に働きます。試験本番で「見たことがある」という状態を作れる範囲が広くなるからです。
逆に言えば、この2条件が揃わない人にとっては、同じ厚さが負担になります。働きながら学習時間が限られている人、暗記より演習で覚えるタイプの人は、インプット量の多さを長所として受け取れない可能性があります。ここは自分の適性で判断すべき部分です。
今の選択肢を知った上で、それでも勧められる人
結論としては、金銭的・時間的に余裕がある人であれば、伊藤塾で問題ないと思います。
実績が示すとおり、この予備校で受かっている人は圧倒的に多い。カリキュラムの網羅性も高く、通学環境もある。150万円を出せて、インプットに時間をかけられるなら、選択として間違いにはなりにくいはずです。
一方で、その余裕がない人が無理をして選ぶ理由はないとも思います。予算が足りずに直前期の答練を削る、あるいは学習時間が足りずにインプットを消化しきれない、という状態になれば、価格に見合った成果は出ません。それなら最初から自分の条件に合った講座を選び、浮いた予算を答練や添削に回す方が合理的です。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 予算に余裕があり、実績の裏付けを最優先する
- 通学して自習室や対面質問を活用したい
- インプットを厚くしたい
向いていない人
- 150万円の予算確保が難しい
- 通学圏内に校舎がない(東京・早稲田のみ)
資格スクエア
料金:合格フルパッケージ 約87万7,800円
論文添削が275通付いてきます。アガルートのフル(206通)を上回る通数です。
合格者によるフォローアップ制度(月1回15分程度の学習相談)もあり、学習の方向性を定期的に確認できます。令和6年の合格率は24.5%(全体合格率の6.87倍)と公表されています。
一方で、演習問題の量は他社より少ないという指摘が比較サイトで複数挙がっています。アウトプット量を確保したい場合、市販の演習書や他社の単科講座で補う前提で計画を立てた方が安全です。
添削は「通数」より「誰が返すか」
ここで一つ、注意点を書いておきます。添削は通数だけでは評価できません。
答案添削の価値は、誰がどういう基準で返すかで決まります。膨大な答案を見てきた人であれば、論理の飛躍、規範と当てはめの不対応、配点が来ている論点の落とし方といった、答案の「構造上の欠陥」を指摘できます。一方、経験の浅い添削者だと、誤字や表現の指摘に留まりがちです。
添削の主体(プロ講師か、合格者アルバイトか)と、添削サンプルの公開有無を確認してください。各社ともサンプルを公開しているので、実際に見比べてから決めるべきです。この一手間で、数十万円の判断精度が変わります。
向いている人・向いていない人
向いている人
- 添削の量を標準構成で確保したい
- 100万円は出せないが、添削は削りたくない
向いていない人
- 演習量を1社で完結させたい
- 対面指導を受けたい
スタディング
料金:約8万9,100円〜
予備試験講座が9万円台。他社が80万円以上の中で、桁が1つ違います。
スマホ完結型で、スキマ時間に学習を進められる設計です。2026年からは論文対策に特化した「論文コアメソッド講座」も追加されました。合格すると予備試験1万円・司法試験1万円、合わせて最大2万円のお祝い金が出ます。
添削はAIによるもので、数分でフィードバックが返ってきます。回転数を上げられる点は、従来の人力添削にはない利点です。
ただし割り切りも明確です。
- 合格実績を公表していない
- 紙のテキストがない(電子テキストのみ)
- 質問は有料
- 選択科目は労働法・倒産法のみ
なお、最安値として引用される8万9,100円のコースには論文対策が含まれません。論文まで含めるなら十数万円の構成になります。
この120万円の差は何を買っているのか
9万円と130万円の差は120万円です。この差額で何を買っているのかを、はっきりさせておきます。
買っているのは「答案が書けるようになるまでの最短距離」です。
予備試験の論文は、知識があれば書けるものではありません。型と書き方を身につけた上で、実際に答案として成立させる訓練が必要です。ここが繋がらないと、いくらインプットを積んでも点数になりません。「わかっているのに書けない」という状態は、受験生が最も長く足止めされる地点です。
独学でこれを突破できる人はもちろんいます。ただし、やみくもに答案を書き続けるのは効率が悪い。自分の答案がなぜ点にならないのかは、自分では判定できないからです。
そして、大手予備校が持っている最大の資産はここにあります。過去の受験生の答案と、その答案が実際に何点だったかというデータを蓄積しているのです。どういう書き方が点になり、どういう書き方が落ちるのかを、経験ではなくデータとして知っている。これは個人が独学で獲得できるものではありません。
120万円は、そのデータと経験にアクセスする権利を買っている、と考えると分かりやすいと思います。
では9万円の講座はどう使うか
以上を踏まえると、判断基準はこうなります。答案を見てもらう手段が、他にあるかどうか。
- 法学部やロースクールで教員に見てもらえる
- 勉強仲間と相互添削ができる
- 答練や単科の添削講座を別途取る予算がある
こうした環境があるなら、スタディングでインプットを済ませ、浮いた予算を添削に回す設計は十分に成立します。総額20〜30万円で、インプットと実戦的な添削を両方確保することは可能です。
逆に、完全に独りで進めるなら、添削込みの講座に投資する方が結果的に近道になります。安く済ませたつもりが受験期間が2年延びれば、機会費用の方がはるかに大きい。
向いている人・向いていない人
向いている人
- まず法律学習が続くか試したい
- 添削環境が別にある(大学・ロースクール・勉強会など)
- 自分で学習計画を組み立てられる
向いていない人
- 完全に独学で、答案を見てもらう手段がない
- 紙のテキストに書き込みたい
- 労働法・倒産法以外の選択科目を予定している
スタディングのAI添削が何を埋め、何を埋めないのか。料金体系の注意点と併せて個別に検証しています。 → スタディング予備試験講座を検証|「安いから添削がない」はもう古い
LEC・辰已法律研究所・加藤ゼミナール
LEC東京リーガルマインドは全国51校を展開しており、自習室の利用や対面での質問ができます。地方在住で通学環境を求める場合の有力な選択肢です。答練・模試の運営実績も長い。
予備試験対策は、必要な講座をまとめたフルコースが約56万1,000円から(2026年8月時点)。100万円台の各社と10万円台のスタディングの、ちょうど中間にあたる価格帯です。2026年からのCBT方式に対応した論文直前対策も用意されています。
**この価格帯の存在は、意外と見落とされます。**予備校選びの記事は高価格帯と低価格帯の対比で書かれがちですが、実際には50万円台という選択肢があり、しかも通学環境が付いてきます。予算が100万円には届かないが、完全オンラインでは続く自信がない、という人にとっては現実的な着地点になり得ます。
なお、各社とも講座構成は年度ごとに変わります。カリキュラム表と価格を実際に見てから判断するのが確実です。LECは校舎があるぶん、オンラインで完結する各社と違って対面での受講相談という手段も持っています。
辰已法律研究所は模試に定評があります。アガルートと共同で予備試験の総合択一模試・論文公開模試を実施しており、他社のカリキュラムを使いながら模試だけ辰已で受けるという組み合わせは実際に広く行われています。前述のとおり合格者の多くが複数校を併用している以上、この使い方は例外ではなく標準です。
加藤ゼミナールは講師個人の指導色が強く、特定の科目や答案作成の方法論に共感できるかで評価が分かれます。単科での評判が良い科目があるので、弱点補強の選択肢として検討する価値があります。
価格帯別の判断基準
150万円を出せる場合
伊藤塾。実績の裏付けが最も厚く、通学環境も得られます。
100〜130万円の場合
アガルート(フル)。添削206通と担任制コーチングが付き、CBT対応も明確です。返金特典は条件を確認した上で、返金なしでも払える前提で判断してください。
80〜100万円の場合
資格スクエア。添削275通を標準構成で確保でき、フォローアップ制度もあります。演習量の不足は市販書籍や単科講座で補う前提で計画を立ててください。
50〜60万円の場合
LEC。フルコースが約56万1,000円からで、全国51校の自習室と対面質問が使えます。通学環境を確保できる価格帯としては最も安い部類です。オンライン完結型で挫折した経験がある人は、ここを検討する価値があります。
20〜30万円に抑えたい場合
スタディング+添削環境の組み合わせ。基礎インプットをスタディングで済ませ、浮いた予算を答練・模試・単科の添削講座に回します。ただし自分で学習計画を組み立てられることが前提です。何をいつやるか自分で決められない段階なら、カリキュラムが組まれている講座を選んだ方が結果的に安く済みます。
よくある質問
予備校は複数使ってもいいですか
問題ありません。というより、合格者の多くが実際にそうしています。前述のとおり、各社の合格占有率を合計すると100%を大きく超えます。
ただし複数社のカリキュラムを同時並行で消化しようとすると、どちらも中途半端になります。基礎講座の軸を1社に決め、足りない部分(答練、模試、弱点科目の単科)だけを他社で補うのが基本形です。
独学で合格できますか
短答式は独学でも十分に対応できます。過去問と解説があれば、正解できたかどうかは自分で判定できるからです。
問題は論文です。自分の答案が採点者にどう見えるかは、自分では判定できません。 書けた気になっている答案が点にならず、その理由が分からないまま時間だけが過ぎる、というのが独学で最も起きやすい失敗です。
したがって「独学で合格できるか」という問いは、実質的には**「答案を見てもらう手段をどう確保するか」**という問いです。予備校のカリキュラムを取らなくても、答練や単科の添削講座だけを利用する方法はあります。そこまで含めて完全に独りでやるのは、可能ではありますが、遠回りになる可能性が高いと思います。
この点は独学の限界を分解した記事で詳しく書いています。
社会人でも間に合いますか
学習時間の総量は変わらないため、その分だけ期間が延びる前提で計画を立てる必要があります。スキマ時間で進められる講座設計が向く一方で、添削のペースを維持できるかが継続の分かれ目になります。
答案を1通書くには、まとまった時間が要ります。ここを確保できるかどうかで、平日のスキマ時間の使い方も変わってきます。週末に答案を書く時間を固定できる人は、社会人でも十分戦えます。
2026年からのCBT方式には対応が必要ですか
必要です。ただし、対策すべき中身は「タイピングに慣れる」だけではありません。
予備試験でCBTになるのは論文式試験のみで、短答式はマークシートのままです。そして論文式では、1科目あたりの入力量に上限が設けられました。手書き時代は1行に何文字書くかが自由だったため、字が小さく速い人には実質的な優位がありましたが、その差は消えます。書ける量で差がつかない以上、限られた分量で何を書くかの選択が、より直接に点数へ効いてきます。
加えて、答案の入力箇所を取り違えると零点になるなど、実力と無関係に答案が壊れる経路が存在します。詳細は以下で整理しました。
予備校を選ぶ際は、各社の演習環境の対応状況も確認することを勧めます。
まとめ
- 価格差の実体は、答案を見慣れた人に何回見てもらうか
- 合格占有率の合計は100%を超える。多くの合格者が複数校を併用している
- したがって「1社を選ぶ」ではなく「軸を1社に決めて足りない部分を補う」が正しい問い
- 添削は通数だけでなく、誰がどう返すかを添削サンプルで確認する
- 添削環境が別にあるなら低価格帯で十分成立する
- 2026年からのCBT方式への対応状況も確認する
料金・カリキュラムは変更されることがあります。実際にお申し込みの際は、必ず各公式サイトで最新の情報をご確認ください。
関連記事
価格帯の両端にある2社は、料金の内訳と規約まで踏み込んで個別に検証しています。